−防犯ボランティアのすすめ−

防犯ボランティアをはじめませんか?
治安回復に向けた様々な取り組みは警察などを中心に推進されています。しかし警察の力だけでなく、各自治体や地域住民が一体となることでより犯罪抑止効果が高まることがわかってきました。
そこで今注目を集めているのが「防犯ボランティア」です。平成16年末現在で、全国で8000団体、約52万人もの人々が防犯活動に取り組んでいます。
さあ、あなたもできることからはじめてみませんか?地域を守ることができるのは私たち住民だけなのですから。

ここでは防犯ボランティアに関するよくある質問をご紹介いたします。ぜひご参考にして、みなさんにあった活動をみつけてください。


Q1.家の近くで犯罪が多発し、防犯ボランティア団体を結成したいのですがどこに相談すればよいですか?
最寄りの警察署又は防犯協会へ相談してください。警察署であれば、生活安全課など地域安全対策を担当する課に相談してください。
地域における犯罪の発生状況などの犯罪情報、具体的な防犯対策などの地域安全情報の提供も受けられます。
また、警察総合相談室「#9110」を利用することもできます。

Q2.防犯ボランティア団体を結成した場合、警察・市町村などに届け出る必要がありますか?
届け出る義務はありませんが、警察や市町村等と連携することで、犯罪情報や地域安全情報の提供やパトロールのポイントについての指導等が受けられるほか、活動助成金や活動に必要な資機材の支援を受けることができる場合がありますので、相談してください。

Q3.活動を長続きさせる方法はありますか?
活動が長続きし、活発な活動を行っている団体の例をみると、
 ○ 無理のない手段・方法で実施する
 ○ 活動の目的、内容等については住民相互で意思統一を行う
 ○ 活動重点、活動計画等を定めている
 ○ 多くの住民が参加できる活動内容を設定する
 ○ リーダーの自主防犯活動の知識が豊富で、積極的である
 ○ 拠点を設けて活動しやすい環境づくりを行う
 ○ 関係機関・団体と緊密な連携を図る
といったことが考えられます。

Q4.自主防犯活動はどのような活動から始めればよいですか?
現在、全国の防犯ボランティア団体では、防犯パトロール、防犯広報、環境浄化、防犯指導・診断、子どもの保護・誘導、危険箇所点検などの活動が行われています。
自主防犯活動を成功させるポイントは、「無理をせず・できることから」始めることです。
1979年にアメリカニューヨークで設立され、地下鉄のパトロール活動などにより、ニューヨークの治安回復に貢献している防犯ボランティア団体「ガーディアン・エンジェルス」の場合、彼らが最初に始めた活動は、街に落ちているゴミ拾いでした。
これは、街の環境の悪化が次々と犯罪を誘発させ、治安を悪化させていることに着眼した「破れ窓理論」に基づくものでした。
はじめから、完全なものを求めても効果は期待できません。例えば、町内でのあいさつ、声かけ活動や散歩、買い物時のパトロール、通学路の立番活動でも犯罪者を寄せ付けない人の目を確保し、防犯灯の点検、落書きの消去などの環境浄化活動でも犯罪企図者の接近を防止するという効果があります。また、これらの活動は地域の共同意識の向上につながります。

【防犯まちづくりの基本的な手法】
□ 人の目の確保(監視性の確保)
多くの「人の目」(視線)を自然な形で確保し、犯罪企図者に「犯罪行為を行えば、第三者に目撃されるかもしれない」と感じさせ ることにより犯罪抑止を図る。
□ 犯罪企図者の接近の防止(接近の制御)
犯罪企図者の侵入経路をなくし、被害対象者(物)に接近すること を妨げることにより、犯罪の機会を減少させる。
□ 地域の共同意識の向上(領域性の強化)
防犯まちづくりを行う地区に対し、その住民等が「我がまち意識」を持ち、コミュニティの形成、環境の維持管理、防犯活動の活性化等を通じて犯罪抑止を図る。
(平成15年7月、防犯まちづくり関係省庁会議が取りまとめた「防犯まちづくりの推進」から抜粋)

【破れ窓理論(Broken Windows Theory)】
地域住民の安心感と警察への親近感を醸成することを目的として警察官の徒歩によるパトロールを実施した米国ニュージャージー州の取組みをきっかけとして、1982年に米国で提唱された理論。この理論は、従来、軽微な犯罪とされていた行為(公共空間での落書き、酔っ払い、物乞い等)であっても、それがコミュニティの利益を大きく侵害するものであるならば、警察やコミュニティは真剣に考え、対策を講じなければならないとするもの。「割れ窓理論」ともいう。

Q5.規則や要綱を策定する必要がありますか?
規約や要綱があると、
 ○ 活動目的、内容等について意思統一を図ることができる
 ○ 団体を結成しやすく、役員や参加者の役割が明確になる
 ○ 活動費の管理がしやすい
 ○ 活動助成金や活動に必要な資機材の支援を受ける場合の申請に必要な場合がある
ことから、策定することをお勧めします。
規約や要綱に規定する内容には、団体の名称、目的、活動、構成、事務局、入会・退会手続き、役員、会議及び会計に関することなどが考えられます。

Q6.活動の重点や活動計画は、どのように定めればよいですか?
地域の交通環境、風俗環境、地形、居住者の家族構成等様々な事情に より、起きる犯罪、事故、災害等は、それぞれ異なります。また、自主防犯活動に参加する人の職業、性別、年齢などによって、活動できる内容は限られてきます。それぞれの地域における犯罪、事故、災害の発生状況を把握して、発生する時間帯、場所、被害者になる者の類型等の地域の実情に応じた活動の重点や活動の計画を定めると効果的です。
活動の重点の例としては、
 ○ ひったくりが多発している地域における被害防止活動
 ○ 年末年始、ゴールデン・ウイークなど留守家庭が増える時期の留守家庭を対象とした空き巣被害防止活動
 ○ 新学期における略取誘拐等子どもの犯罪被害防止活動
 ○ 子どものたまり場における声かけ活動
などが考えられます。
活動の計画の例としては、年間活動計画及び月間活動計画について、
 ○ 時期ごとの活動重点及び活動予定
 ○ 活動日、活動時間、活動内容、活動予定人員、集合場所
などを定めることが考えられます。
これらの策定に当たっては、警察や防犯協会の活動と連携することにより、より効果的な活動が期待できます。
地域における防犯活動の情報や犯罪、事故、災害の発生状況等の情報は、最寄りの警察署(生活安全課)で提供しています。

Q7.防犯ボランティア団体への参加者の募集方法はありますか?
防犯ボランティア団体の構成員には、自治会など一般地域住民のほか防犯指導員、女性、子どもの保護者、警察官OB、商店主、学生、武道家、愛犬家など様々です。
活動しようとする時間、内容や参加を求める対象等に応じて、関係する行政機関の発行するパンフレット、チラシや自治会の回覧板を活用する方法や、幅広く団体の活動を紹介するパンフレット、チラシやホームページの活用などが考えられます。
警察庁が実施したアンケート 【団体の活動に参加するに当たって団体を知った経緯】
調査結果から防犯ボランティア団体の構成員が活動に参加するに当たって団体を知った経緯をみると、「団体の防犯パトロール活動を実際に見て」が51.8%と最も多く、次いで「人づてに聞いて」、「団体発行のチラシ、パンフレットを見て」、「行政機関発行のチラシ、パンフレットを見て」となっています。

Q8.防犯ボランティア団体の活動拠点は必要ですか?
活動拠点があれば、自主防犯活動を行う上での集合場所、会議や活動準備の場所となり、構成員が集まりやすく活動が促進されます。また、団体の活動が認知されやすく、地域住民の協力や活動への参加が期待されるほか、地域住民や警察官の立ち寄りにより、防犯に関する意見交換の場所として活用できます。
活動拠点としては、自治会集会所、商店街の空き店舗、公民館、消防団の拠点等が考えられます。

Q9.リーダーとしての防犯活動の研修を受けたいのですが?
地域においては、都道府県、市町村等の単位で警察、防犯協会、自治体による防犯ボランティアの研修会が開催されています。
警察及び防犯協会では、防犯ボランティア団体等の要望により、研修会を開催したり、担当者を研修会や防犯パトロール活動へ派遣しています。最寄りの警察署(生活安全課)または防犯協会へお問い合わせ下さい。

Q10.防犯パトロールの方法やパトロール中の着眼点はありますか?
防犯パトロールの方法は、防犯パトロールの目的や行おうとする時間帯、 地域、参加する人の性別、年齢、人数等によって、方法も様々なものが 考えられます。ここで、防犯パトロールの方法の1例を紹介しますが、 実際に行われる場合は、それぞれの実情に合った方法で行いましょう。
 ○ 実施日、時間帯、場所
  ・ 犯罪等が多発している時間帯や場所を選ぶ。
  ・ 多くの人が参加できる日、時間帯を選ぶ。
 ○ 参加人員
  ・ 2人以上の複数で行う。
  ・ 責任者(リーダー、班長)を決める。
  ・ 事件、事故などが起きた場合にスムーズに対応できるよう、責任者、通報係、救護係など役割分担をする。
 ○ 防犯パトロールの要領
  ・ 開始前に、参加人員、携行装備品、防犯パトロールの目的を確認する。
    ※ 犯罪者は声をかけられることを嫌います。
  ・ 犯罪の起きる可能性の高い人通りの少ない道路、裏通り、公園、駐車(輪)場、空き地や過去に犯罪の起きた場所を巡回する。
  ・ 夜間は、防犯灯のない暗がり、登下校時間帯は、学校及び通学路にも注意する。
  ・ 公園、ゲームセンター、コンビニエンスストア、空き家等少年のたまり場となる可能性の高い場所を巡回し、声かけを行う。
    ※ 少年が喫煙、飲酒していたり、夜間、帰宅しない場合は、警察に通報して下さい。
  ・ 見知らぬ人に対して声かけを行う。
  ・ 犯罪の被害に遭うおそれのある人に対する声かけを行う。
    ※ ひったくり被害防止の例
      「明るい道路、人通りの多い道路を通行しましょう」
      「鞄やバッグは道路の建物側に持ちましょう」
      「前かごにはひったくり防止カバーをつけましょう」
      「バッグを前かごに入れる場合は、買い物袋などを上に乗せましょう」 等
  ・ ※ 子どもの犯罪被害防止の例
      「通学路を帰りましょう」
      「知らない人にはついていかない」
      「早く家に帰りましょう」 等
  ・ 防犯灯の故障の有無、暗がりなど犯罪や事故が発生しやすい危険な場所の点検を行うとともに、改善を要する場合は、警察、自治体等関係機関へ通報する。
  ・ 犯罪や事故を発見した場合は110番通報する。
  ・ 防犯パトロール終了後には、参加人員、携行装備品の異常の有無と取扱いについての確認、意見交換を行い、記録化して、次回の防犯パトロールのほか警察、自治体等関係機関への連絡による危険箇所の改善、警察によるパトロールの強化などに役立てる。
 ○ パトロール中の着眼点
  ・ 防犯灯の故障や整備の必要な場所はないか。
  ・ 不良少年のたまり場となっている場所はないか。
  ・ 公園などの遊び場、公衆便所に異常はないか。
  ・ 廃屋、空き家などに異常はないか。
  ・ 見慣れない人(車)はいないか。
  ・ 留守宅に不審な人や車はないか。
  ・ 防犯パトロール隊を見て、立ち去る人(車)はいないか。
  ・ 駐車場では車の陰に人がいないか。
  ・ 駐車車両には施錠がしてあるか。(ガラス越しに確認する。)
  ・ 水難事故の発生するおそれはないか。等

Q11.防犯パトロールには、どのような資機材が必要ですが?
防犯ボランティア団体による防犯パトロールは、犯罪企図者に犯行をあきらめさせたり、犯罪企図者の地域への接近を防止するほか地域住民に安心を与える効果があります。そのためには、防犯パトロール中であることが、犯罪企図者や地域住民に容易に視認されることが必要であり、服装は、防犯パトロール中であることや団体名が記載された
 ○ ジャンパー、ベスト、Tシャツ
 ○ 帽子
 ○ 腕章
が好ましく、夜間の活動に備えて、蛍光色の生地や夜光チョッキなどにも配意すると交通事故防止にも効果があります。
携行する資機材には、夜間の暗がりの点検、不審者の発見や事件・事故を目撃した場合の警察への通報、地域住民への周知などのため、
 ○ 懐中電灯、赤色灯などの灯火
 ○ 防犯ブザー、ホイッスル
 ○ 携帯電話、トランシーバー
 ○ 筆記用具
などが考えられます。

Q12.防犯パトロールには危険はありませんか?
防犯パトロール中には、犯罪者や不審者(車)に遭遇することが予想されます。遭遇した場合は、特徴点、進行方向などを、速やかに警察に通報することとし、無理な追跡行為は行わず、危険を感じたときは、防犯ブザーやホイッスルを吹鳴させるなどして、周囲へ危険を知らせ、避難するなど自分の安全を確保してください。
また、歩道の通行のほか蛍光色の服装や夜光チョッキ、懐中電灯の携行など交通事故防止にも十分配意してください。

Q13.活動中に負傷した場合の補償制度はありますか?
地域においては、公務員の活動として公務災害として認定される場合もありますが、一般的には「ボランティア保険」に加入している団体が多くあります。
「ボランティア保険」は活動中の様々な事故によるボランティア活動者の傷害や賠償責任などについて補償するものですが、保険商品により補償内容、契約条件が異なりますので、最寄りの防犯協会、社会福祉協議会のほか各保険会社へお問い合わせ下さい。

Q14.防犯ボランティア団体への助成制度はどのようなものがありますか?
地域によっては、警察、防犯協会、自治体による防犯ボランティアの助成制度が実施されています。
地域によって助成制度の有無、助成の内容が異なりますが、主な助成の内容は、チラシの印刷費、自動車の燃料代、懐中電灯、帽子、ジャンパー、腕章等の資機材購入費、ボランティア保険加入費など自主防犯活動に必要な経費の助成及び装備資機材の支給又は貸出があります。地域により内容が異なりますので、最寄りの警察署(生活安全課)または防犯協会へお問い合わせ下さい。